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認知症の進行を食い止めるために

認知症や、その前段階の症状を食い止めるための情報をご紹介。認知症の診断・治療におすすめの病院や、認知機能改善に役立つ情報をまとめています。

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正常圧水頭症

原因や症状は?
正常圧水頭症は
どんな病気か

水頭症とは、頭の中にある髄液と呼ばれる液体がたまってしまうことで、各種の障害を引き起こす病気のこと。本来、髄液は生成と排出が繰り返され、頭の中で常に一定量が保たれる仕組みとなっていますが、何らかの理由によって髄液の循環が悪くなった場合、水頭症を発症します[注1]。 水頭症のうち、髄液の圧力が正常値である症状を正常圧水頭症と呼びます。症状が認知症に似ていること、また、主に高齢者に多く発症することから、一般的な認知症と誤解されることも少なくありません。

正常圧水頭症の症状

歩行障害

足を上げにくくなったり、歩幅が小刻みになったりなど、正常な歩行が困難になります。症状が悪化すると、Uターンの際に転倒したり、場合によっては立ち上がることができなくなったりすることもあります。

認知症

自発的な意欲が低下したり、物事への集中力が低下したりする症状が見られます。症状が進行すると、物忘れが強くなります。

症状は、脳の脳室という場所に髄液がたまり脳を圧迫し認知症の症状を引き起こすというもの。処置方法は、手術により髄液を排出することをします。

引用(一部改編):監修:東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門 特任教授 朝田 隆(2016)「ウルトラ図解認知症 予防・治療から介護まで、知っておきたい最新知識」p.43

尿失禁

トイレが近くなり、かつ、トイレを我慢できる時間が短くなります。歩行障害を併発していることが多いため、結果としてトイレに間に合わず、尿失禁にいたることがあります。

正常圧水頭症になる原因

正常圧水頭症は、原因別に次の2種類に分かれます。

  • 特発性正常圧水頭症…原因が不明の正常圧水頭症です。高齢者に見られる症状で、症状の進行は非常に緩やかです。
  • 続発性正常圧水頭症…くも膜下出血、外傷、髄膜炎など、明らかな原因があって発症する正常圧水頭症です。

正常圧水頭症の治療法

治療法には、カテーテルを通して髄液をお腹などに流すシャント術と、新たに脳の中に髄液の出口を作る第三脳室底開窓術の2種類があります。スタンダードな治療法は、前者のシャント術。症状に応じ、主に以下の3種類のシャント術の中から治療法が選択されます。[注2]

  • 脳室-腹腔シャント…カテーテルを設置し、脳室にたまった髄液を腹腔に流し出す治療法です。
  • 脳室-心房シャント…カテーテルを設置し、脳室の髄液を心房へと導く治療法です。
  • 腰椎-腹腔シャント…カテーテルで腰椎と腹腔をつなぎ、髄液を腹腔へと導く治療法です。

以上3種類の治療法のうち、近年では「腰椎-腹腔シャント」の採用例が増加しています。

正常圧水頭症の予後

正常圧水頭症のうち、原因不明で発症する特発性正常圧水頭症については、別名「治る認知症」とも言われています。放置しても命に関わる病気ではありませんが、治療しなければ症状が悪化し、やがて寝たきりになってしまいます。早めに治療を受けて症状の改善を図るようにしましょう。

症状別の予後の改善状況

  • 歩行障害…治療を受けることにより、60~90%の改善が見られます。
  • 認知症…治療を受けることにより、30~80%の改善が見られます。
  • 尿失禁…治療を受けることにより、20~80%の改善が見られます。

※治療を受けて症状が改善した人のうち、70~90%の患者において5年間の治療効果が持続するとされています。[注3]

なお、治療を受けた直後に症状が劇的に改善するわけではないことも理解しておいてください。特発性正常圧水頭症は、手術後、時間をかけて少しずつ症状が改善していくもの。焦らずにリハビリを続けるようにしましょう。

参照URL

[注1]"千葉大学医学部脳神経外科「水頭症と正常圧水頭症」"http://www.chiba-neurosurgery.jp/original28.html

[注2]"慶応義塾大学病院「正常圧水頭症」http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000312.html

[注3]"東邦大学医療センター大橋病院脳神経外科「水頭症」"http://www.ohashi-neurosurgery.com/hydrocephalus

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