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認知症の進行を食い止めるために

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認知症の周辺症状 ― 焦燥 ―

認知症の周辺症状としての焦燥はどんな症状か

焦燥とは、簡単に言えば「あせり」のこと。「あせり」とは、一般に「不安」から生まれるものなので、「あせり」と「不安」を合わせて焦燥と解釈して良いでしょう。

焦燥は認知症の中核症状ではありません。ただし、中核症状から派生する各種の周辺症状の一つとしては、極めて深刻な事態を招きかねない症状とされています。焦燥自体が深刻な事態というわけではなく、焦燥から生まれる各種の言動が深刻である、という意味です。

焦燥から生まれる言動は、以下の4つのタイプに分類されることがあります。

焦燥症状の4つのタイプ

攻撃的行動 叩く、押す、蹴る、ひっかく、噛む、つかむ、など
攻撃性のない行動 徘徊する、モノを探し回る、屋内で繰り返し往来する、モノを隠す、など
言語的攻撃性のある行動 大声を上げる、かんしゃくを起こす、他人をののしる、など
言語的攻撃性のない行動 不平や泣き言を言う、不安や懸念を繰り返し口にする、非現実的な恐怖を示す、など

認知症の周辺症状として焦燥が生じる原因

認知症による焦燥の原因は、大きく分けて「脳に起因する原因」と「環境に起因する原因」の2種類があります。

脳に起因する原因

脳内の神経伝達物質であるの売るアドレナリンやアセチルコリンが障害を受けることで、認知症の中核症状としての見当識障害や記憶障害、失認・失行・失語、実行機能障害が発症。これらの周辺症状として、焦燥が現れます。

環境に起因する原因

認知症の初期段階(MCI)では、患者は往々にして自身の認知機能の低下を自覚しています。機能低下を自覚しているところに、家族等からの叱責があったり、施設への入居などの環境変化が起こったりすることで、患者にはストレスが蓄積。このストレスが焦燥・不安を助長する一要因とされています。

認知症の周辺症状としての焦燥の治療法

認知症における焦燥は、あくまでも中核症状から派生した周辺症状です。よって焦燥を緩和させるためには、認知症そのものを緩和させるしか方法はありません。

現在、認知症の完治を目指す治療法は確立されていないものの、症状の緩和を目指す対症療法は数々用意されています。患者の焦燥が著しいと介護者が感じた場合には、迷わず主治医に相談するようにしてください。

なお、上で説明したとおり、介護者の接し方や環境変化によるストレスも焦燥の大きな要因の一つ。うまく行かないことを注意したり叱責したりせず、被介護者・介護者、双方の利益のために、介護者は穏やかな目で介護をするべきでしょう。

認知症の初期にあらわれやすいのは、抑うつや意欲の低下、無関心、睡眠障害などです。また、幻覚や妄想などがあrわれることもあります。初期には、本人も物忘れなどを自覚していることが多く、これらの症状は不安や焦り、混乱などから生じると考えられます。

引用:「ウルトラ図解 認知症 予防・治療から介護まで、知っておきたい最新知識」p.26
監修:国立大学法人 東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門 特任教授 朝田隆

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