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認知症の進行を食い止めるために

認知症や、その前段階の症状を食い止めるための情報をご紹介。認知症の診断・治療におすすめの病院や、認知機能改善に役立つ情報をまとめています。

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意味性認知症

意味性認知症はどんな病気か

意味性認知症とは、大きなくくりで言えば「前頭側頭葉変性症」という病気の一種。脳神経が変性を起こす疾患の一つで、おもに側頭葉に萎縮が生じる疾患のことを意味性認知症と言います。

なお意味性認知症とは、あくまでも症状を差した病名のことであり、病理的な原因に基づいた病名ではありません。よって正確に病理診断をすれば、アルツハイマー型認知症の一種である可能性もあります。

意味性認知症の症状

意味性認知症でもっとも印象的な症状は、「言葉の意味を忘れてしまう」ということ。患者に対して「テレビをつけて」と言うと、「テレビって何?」といった感じに、質問者がやや戸惑うような返答を患者がすることがあります。

以下、意味性認知症の患者によく見られる症状を確認してみましょう。

  • 中核症状
    意味性認知症の患者に典型的に見られる「中核症状」には、たとえば以下のようなものがあります。

言語障害

流暢に会話をできなかったり、空虚な内容の話をしたり、また、言葉の意味を理解できなかったりすることがあります。

特に、モノの名前と意味をつなげることができなくなる症状が顕著で、「テレビ」や「掃除機」、「エプロン」などといった日常的に使用するモノであっても、その言葉と実物をつなげることが困難になることがあります。

名前と実物をつなげることができない以上、その実物の使い方を分からなくなる例も少なくありません。

認知障害

よく知っている親しい人の顔が分からなくなるなど、認知機能に著しい障害が起こることがあります。旧知の知人と会っても、「この人は誰だろう?」と思うことが珍しくありません。

意味性認知症を発症した患者には、ほかにもさまざまな中核症状が見られることがあります。

ただし、符号や描画再生能力(知覚性認知)や、単語をリピートする能力、音読能力、単語を聞いて文字で書きだす能力などが維持されている点は特徴的です。

  • 支持性症状
    意味性認知症の患者によく見られる症状ではあるものの、この疾患に特有の症状とは言えないのが支持的症状。支持的症状には、たとえば以下のようなものがあります。

発話・言語における症状

発話抑制、読字・書字の表面的な障害、独特の語彙の使用癖などが見られることがあります。計算能力は維持されます。

行動における症状

他人に対する共感や感情移入の欠如、偏狭な行動、無動などの症状が見られることがあります。

支持性症状が見られた患者の脳の検査を行うと、側頭葉の前方部に異常が見られますが、脳波は正常です。音声や構文、日々の記憶などにも障害は見られません。

症状が進行するとピック病に移行することがある

意味性認知症は、右か左、どちらかの側頭葉の萎縮から始まります。どちらの側から萎縮が始まっても、平均して3年ほどで反対側の側頭葉にも萎縮が拡大。のち前頭葉に萎縮が及び、人格変化や行動異常などの症状が強く現れます。

ちなみに、前頭葉に及んだ萎縮が原因で各種の症状を起こす病気を、ピック病と言います。すなわち意味性認知症は、やがてピック病に移行する可能性がある病気、ということになります。

意味性認知症になる原因

一部の異常タンパクが関与して意味性認知症が発症するとされていますが、具体的な発症原因については、まだ解明されていません。

ただし、何らかの原因によって脳内に起こっている変化については、現状、だいぶ解明されてきました。

意味性認知症患者の脳内で起こっている状況

最初は側頭葉と海馬に萎縮が生じます。側頭葉のどちら側に萎縮が生じたのかにより、初期症状が異なります。一般には左側の側頭葉から萎縮が始まることが多い、とされています。

左側の側頭葉に萎縮が生じた場合

左側の側頭葉に萎縮が生じた場合、「語義失語」という症状が強く現れます。「あの、あれ…」などの指示代名詞の使用頻度が増えたり、眼鏡を見せて「時計」と言ったり、海老という文字を見て「かいろう」と応えたりなど、言葉と実体とをつなげる能力に障害が見られます。

右側の側頭葉に萎縮が生じた場合

親しい人の顔を認識できなかったり、モノの使い方を忘れたりなどする症状が見られます。

上で触れたとおり、右・左、どちらの側の側頭葉から萎縮が始まっても、平均3年で反対側の側頭葉へと萎縮が拡大。やがて前頭葉に萎縮が広がり、ピック病へと至る患者も少なくありません。

意味性認知症の治療法

意味性認知症の原因が未解明である以上、確実に有効とされる治療法は確立されていません。よって、何らかの症状が出た際には、その症状を和らげるための対症療法が中心となります。

具体的な対症療法の例

症状の種類に応じ、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミン、セルトラリンなど)と呼ばれる抗うつ薬を投与することがあります。

また、会話が減って自発性が低下していくことを予防するために、語彙再獲得訓練が有効であるという報告もあります。

意味性認知症は進行性の症状です。通常、言葉の名前と意味とをつなげにくくなる症状から始まり、やがて脳の全般的な記憶障害へと発展し、会話困難にいたって無気力・無関心・活動性の低下等を招きます。治療法が確立されていない以上、これら進行を予防するために語彙再生訓練は積極的に受けるようにすべきでしょう。

参照URL

"大阪市「認知症の医療・介護に関わる専門職のための『前頭側頭型認知症&意味性認知症』こんなときどうする!改訂版」"https://www.osaka-ninchisho.jp/osakan/photos/info/info-15-1.pdf

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