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認知症の進行を食い止めるために

認知症や、その前段階の症状を食い止めるための情報をご紹介。認知症の診断・治療におすすめの病院や、認知機能改善に役立つ情報をまとめています。

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アイテム・グッズ

アロマセラピーが軽度認知障害(MCI)の方に良い理由

アロマイメージアロマセラピーはお花やフルーツといった植物から抽出した精油の香りを使って、心と身体の健康や美容に役立てる自然療法のこと。

「若い女性に人気」というイメージが強いかも知れませんが、実はアロマセラピーが軽度認知障害に良いと言う研究結果が出ているのです。

軽度認知障害(MCI)の方を対象に行われた臨床試験
認知機能に対するアロマセラピーの効果

研究内容

「運動・音楽・アロマ療法」で軽度認知障害(MCI)の改善効果に関する試験において、MoCAJ検査、唾液中のIgA、コルチゾール、αアミラーゼの計4つを測定項目に設定し、実験を行いました。[注1]

MoCAJ検査

軽度認知障害(MCI)を識別する簡易的なスクリーニング検査。
視空間・遂行機能、命名、記憶、注意力、復唱、語想起などの認知機能をテストするものです。
25点以下が軽度認知障害(MCI)の疑いが持たれます。

IgA(免疫グロブリン)

唾液や涙、母乳などに存在するタンパク質の一種。ウイルスや病原体といった外敵の侵入を防ぎ、私たちの身体を守ってくれます。IgAが低下すると疲労感が高まったり、風邪を引きやすくなります。

コルチゾール(ヒドロコルチゾン)

副腎皮質から分泌されるホルモンの一種。タンパクや脂質、骨の代謝や免疫機能に深く関わる、生命維持に不可欠なものです。過剰なストレスにより多量に分泌されることから、別名「ストレスホルモン」とも呼ばれます。
生命維持に必要なホルモンですが、多量にコルチゾールが分泌されると記憶力に関わる脳の海馬を委縮させることがわかっています。

αアミラーゼ

デンプンのアミロースやアミロペクチンを分解する消化酵素の一種。ストレスを強く感じると身体を守ろうとして、アミラーゼの活性が強くなります。

1日のパフォーマンス実施内容(約1時間)

対象者

試験の前日に老健施設の入居者14名にMoCAJのアセスメント検査を受けてもらい、そのなかで14~24点を取得した9名(65~95歳)が対象者となっています。

結果

運動・音楽・アロマ療法を継続的に行った結果、9名中6名がMoCAJのアセスメント検査点数が上がったことがわかりました。この実験は計4回実施され、6名中3名は健常者レベルまでMCIが改善したと言います。

MoCAJアセスメント結果レーダーチャートでは、初回に比べて4回目の方が見当識、視空間・実行系、命名・注意・言語・抽象概念・記憶の遅延再生などが良くなっていることがわかりました。

この結果からわかること

ローズマリーイメージ今回の実験はあくまで「運動・音楽・アロマ」という組み合わせで行われたものであり、アロマ単体で軽度認知障害に対してどれだけ効果が得られたのかは未知数です。リラックス効果が認められているアロマはストレスの緩和にもつながるため、対策として取り入れるなら、この研究の様に運動や音楽と組み合わせてみるのも良いでしょう。代表的なアロマの香りを紹介します。

軽度認知障害を改善していくには、
色んな対策を組み合わせることが大切

この実験で運動・音楽・アロマセラピーを組み合わせたように、軽度認知障害(MCI)を改善するには、複数の対策法を組み合わせて認知機能を活性化させることが大切です。アロマセラピーを取り入れつつ、他の改善方法も同時に試してみましょう。

食事で認知症への
進行防ぐ!
軽度認知障害(MCI)に
良い成分とは?

ゲームと認知機能の研究(アメリカ)

10年間にわたって研究を行いました

アメリカ南フロリダ大学のEdwards博士は、研究チームを率いてコンピューターを活用した脳トレの効果を調べました。調査期間は10年。検査対象は当時65歳以上の健康な2,802人の高齢者で試験開始時の平均年齢は74歳です。被験者を4つのグループに分けて検査しました。

トレーニングは、1回1時間ほど行われ、最初の5週間で10回、11ヶ月後に4回、35ヶ月後には4回のトレーニング機会を設けました。トレーニング前と、開始1、2、3、5、10年後に認知機能の測定を行っています。[注2]

研究結果

処理能力を高めるトレーニングに期待ができる

コンピューターを使って処理を行うトレーニングを実施したグループでは認知症の発症リスクが低くなることがわかりました。

被験者全体において、10年の試験期間中に260名が認知症を発症。「記憶」と「理由付け」のトレーニングを行ったグループと脳トレを行わなかったグループでは認知症の発症リスクに差がないことが判明しています。一方、コンピューターによるトレーニングを受けたグループでは発症リスクが低いことが分かりました。脳トレを行わなかったグループと比較した場合、29%も発症リスクが低くなっています。

結果をふまえて、コンピューターによるトレーニングを受けた方に詳細な解析を行ったところ、トレーニングを受けた回数が多いほど認知症発症リスクは低くなることが明らかになりました。コンピューターによるトレーニングは、画面上に出てくる物の中から指定された物を探し出すというもの。例えば、たくさんある果物の中からバナナだけを探すといった脳内の処理を促す試験内容になります。つまり、今回の研究結果から、コンピューターを使った処理速度のトレーニングをするほうが効果が高いことが分かりました。

ゲームと認知機能の研究(スイス)

ビデオゲームを使った認知機能検査について

スイスのジュネーブ大学の研究グループは、ビデオゲームを使った脳の働きを検証する実験を行いました。被験者は、普段全くビデオゲームをしない人を対象に行っています。事前に認知能力のテストを行った後、無造作に2グループに分けて検証開始。1つ目のグループはアクションゲームを、2つ目のグループにはソーシャルゲームといったジャンルの異なるゲームを配布しました。両グループは数週間にわたって各週で5日間、1日1時間程度ゲームをプレイ。数日後に、被験者に対して認知能力テストをしていただき、認知度の結果を計測しました。[注3]

研究結果

ゲームの種類によって認知機能に差がありました

研究結果によると、アクションゲームを行うグループのほうが、認知力が向上していることが分かりました。脳画像を解析したところ、アクションゲームをする人は、しない人に比べて注意を制御する脳領域の活性化がみられたとのこと。注意の維持に関与する背外側前頭前皮質や標的を切り替える頭頂皮質、自分の行動を監視する帯状皮質が大きく変化する傾向がみられました。注意力や迅速な情報処理、切り替えなどのさまざまな能力が瞬時に求められるアクションゲームだからこそ脳に良い刺激を与えているかもしれません。

また、腹腔鏡手術を手掛ける医師がビデオゲーム好きのゲーマーの場合、より正確に短時間で手術を終えるというデータもあります。

このようにアクションゲームには、認知機能を高めることが分かってきました。米国では、脳腫瘍や認知症がある人向けに、暴力シーンを除いたゲーム開発が始まっています。

用語の解説

脳トレはあまり意味がない?

研究結果が明らかになっている脳トレを選ぼう

ゲームと認知機能の研究では、「脳トレが認知機能に対してあまり効果は期待できない」とされていました。ただ、脳トレには色々な種類があり内容によっては認知機能の改善に期待ができるのもあります。なるべく効果が高いトレーニングを続けるためには、研究結果が出ているトレーニングを取り入れたほうが良いでしょう。現在では、さまざまな脳トレがありますが、研究結果に基づいた確かなトレーニングを行うようにしてくださいね。

家族のメッセージビデオとせん妄の研究

3つのグループに分けて実験を行いました

アメリカの研究グループは、せん妄患者に家族のビデオを見せたらどれぐらいの効果があるのかを調べました。被験者は、せん妄を発症して入院している高齢者111人。3つのグループに分けて実験を開始しました。落ち着きがなくなって動き回っている最中にビデオを見せます。

ビデオを見せている時や、その後の様子や変化を調べました。ビデオを見せている時以外は、特に変更点はありません。

研究結果

家族のメッセージビデオは効果が高いとのこと

研究の結果、ビデオを見たグループが落ち着きを取り戻すことが明らかになりました。特に、家族のメッセージビデオを見たグループのほうが、効果が高いことが分かっています。ただし、ビデオを見せてから30分後の活動はどのグループでも同じように行動していました。今回の実験は、薬に頼らない方法のため、副作用が現れるといったこともありません。研究に協力した家族からは、「家族のメッセージビデオを見せる方法」についてもっと知りたいと要望があったそうです。せん妄による夜中の徘徊や暴言などは介護する人の負担になります。そのため、今回の実験結果から、得られた情報をもとにケア方法を考えていくことは、患者や家族にとって負担軽減になる可能性を秘めているとのこと。今後も研究を進めていくそうです。

用語の解説

参照元

  1. "第18回日本補完代替医療学会学術集会において音楽療養コンテンツ『健康王国』を活用した 軽度認知障害(MCI)への改善効果を発表".株式会社エクシング.https://xing.co.jp/archives/6041?=fx,(参照 2018-05-24).
  2. Speed of processing training results in lower risk of dementiahttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5700828/,(参照 2018-08-29).
  3. Meta-analysis of action video game impact on perceptual, attentional, and cognitive skills.http://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fbul0000130,(参照 2018-08-29).

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